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2021年 1月 17日 【日本史】☆共通テスト解答速報☆

◇解答


◇設問別分析

第1問 貨幣の歴史

小問数6問の内訳は、正誤を組み合わせる問題が3問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2文の正誤判定、年代整序問題がそれぞれ1問ずつ出題された。センター試験日本史Bに近い形での出題が多かったが、試行調査にはみられなかった、解説文を用いた問題が1問出題された。

問1 試行調査の「評価と根拠の組合せ」に近い形式。組合せを丁寧に検討すれば、正答を導くことができる、読解力・分析力を求めた問題だった。

問2 図版を読み取ることを求めており、やや判断に悩んだかもしれないが、ヒントは会話文の中にあった。古代では、「銭貨とともに米や布・絹などが貨幣として使われてきた」という発言を見逃さず、図版から米俵(右横)、絹(もしくは布、中央の女性)を見つけることができれば判断できただろう。

問3  センター試験日本史Bでもみられた、2文の正誤判定。消去法が使用できないので正しい理解が求められる。なお、昨年度のセンター試験日本史Bでも「中世から近世初期にかけての流通経済」が出題されていた。

問4 グラフを用いた問題。読みとりで対処できるが、「開国」した時期を把握しておく必要があった。

問5 従来のセンター試験日本史Bで多くみられた、6択の年代整序問題。「不換紙幣→兌換紙幣」、「銀本位制→金本位制」の流れをつかめていれば、正答を導くことができた。

問6 図や先生の解説文を用いた、センター試験日本史Bではほとんどみられなかった形式の問題。学習が進んでいる受験生は、図に提示された西暦年だけでも正答を出すことができたと思われるが、解説文にある「新円切り替え」や「流通が禁止されていた旧円の旧紙幣」などといった情報も見落とさないようにしたい。資料にはヒントが示されているという意識をもって確認しようとする必要がある。本問では、図3・解説文から「1947年までの時期」に該当する選択肢を検討すべきだった。

第2問 文字使用の歴史

第2問は、試行調査にあったような生徒の発表をもとにした問題だった。小問数は全5問で、その内訳は、正誤を組み合わせる問題が2問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2文の正誤判定、年代整序問題がそれぞれ1問ずつ出題された。評価と根拠の組合せは試行調査でもみられたが、事例と背景の組合せは今回の共通テスト日本史Bで初めてみられた形式である。地図を用いた中国諸王朝の領域に関する年代整序問題は、歴史総合を意識した問題とも考えられる。

問1 センター試験日本史Bではみられなかった、地図を用いた整序問題であるうえに、「中国諸王朝の領域」であるため、判断に迷った受験生が多かったと思われる。設問文にある「1世紀、3世紀、5世紀」を見逃さないことが重要。「3世紀」に該当する魏・呉・蜀の三国時代、「5世紀」に該当する南北朝時代などの情報を想起しつつ、判断したい。

問2 史料を用いた正誤判別問題であったが、万葉仮名や稲荷山古墳の所在地、これらに対する基本的な知識をもっていれば対応可能だった。

問3 二つの事例とa~dの正しいものの組合せを判断する問題。a・bの選択肢は事例1・2から判断できる。c・dは「吉備真備」と「白村江の戦い」の時期に関する情報を習得しておく必要があった。

問4 試行調査でみられた、「評価と根拠」の組合せの形式。評価と根拠が因果で結びつかなければ正答にならず、選択肢には必ずしも誤りが含まれているわけではないため、形式に慣れていない受験生は戸惑ったかもしれない。

問5 大問の全体像を把握できなければ対処しにくい問題。問2の史料やBさんの発表要旨などに、正答につながるヒントが隠されていた。共通テストでは、問題文だけでなく、各小問がヒントになるような形式の問題が出題されると考えておくべきである。

第3問 中世の都市と地方との関係

小問数5問の内訳は、正誤を組み合わせる問題が2問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2文の正誤判定、年代整序問題がそれぞれ1問ずつだった。試行調査でもみられた、図の読み取りを求めたうえで「最も適当なもの」の組合せを選択させる問題が出題された。

問1 (1) 史料の読解問題。史料文も短く、注釈にも大きなヒントがあるなど、焦らなければ正答を選択するのは容易だったと思われる。

問1 (2) 図版を読み解く方法に関する問題。選択肢と図版を照らし合わせれば、正答を導くのは難しくなかった。(1)の史料・(注4)にある「ぼう(片に旁)示を打ち、……荘園認定の手続きを進めることを指す」も、正答を導くためのヒントになったはずである。

問2 平安時代末から鎌倉時代の都市と地方との関係に関する問題。六勝寺が建立された時期と当時の政権に対する理解が必要だった。

問3 「室町時代の一揆」に関する年代整序問題は頻出であるが、ⅠとⅡの前後関係は、正確な情報をもっていなければ判断しにくかったと思われる。

問4 X・Yのそれぞれの文と、それに該当する語句a~dとの組合せを問う問題。文化史を苦手にしていた受験生は少なくないと思われるが、問われていることは基本事項だったため、判断しやすかっただろう。

第4問 近世社会の儀式や儀礼

小問数は全5問。正誤を組み合わせる問題、4つの文から正文を1つ選ぶ問題、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2文の正誤判定、年代整序問題で構成されていた。多くがセンター試験日本史Bと同様の出題形式だった。問1は、受験生が初見と思われる図だった点において、試行調査で多く見られた設問と類似した問題だった。

問1 提示された図とその説明から、X・Yの文の正誤をそれぞれ判断する問題。Yについては「井伊直弼(井伊家)」を特定する必要があるなど、基本的知識が必要だったが全体的にX・Yの文と図やその説明を参考にすれば、正答を導くことができる。

問2 歴代の武家諸法度を対象とした年代整序問題。Ⅰの「大船の建造禁止を解き」が受験生の盲点だったかもしれないが、開国の時期にあたると類推できれば、正答を導けたと思われる。

問3 江戸時代の対外関係に関する基本的な情報を習得していれば対応できる問題だった。

問4 (1) 受験生にとって初見と考えられる史料。注を参考にして判断すれば、正答を選択するのは容易だっただろう。

問4 (2) 受験生にとって初見と考えられる史料。(1)と同様に、注を参考にすれば正答を選択できるが、「天長節」という歴史用語について理解していれば、読解はさらに容易だっただろう。

第5問 近代の女性

小問は4問で、空欄補充問題、2文の正誤を判定する問題、語句を組み合せる問題、組合せの正誤問題がそれぞれ1問ずつ出題された。いずれもセンター試験日本史Bとほぼ同じ形式の問題だった。

問1 大阪事件の内容や平民社を設立した幸徳秋水の思想を把握しておく必要があった。空欄イに関しては、後述されていた「社会主義」がヒントになっただろう。

問2 幕末維新期の武士について述べたX・Yの文と、それに該当するa・bの語句を選択する問題。出身藩や地名などが求められた。西郷隆盛や箱館五稜郭の戦い(榎本武揚)など、基本的な情報を掌握していれば容易に対応できる問題だった。

問3 史料の読解を求める問題であるが、注に注目すればa・bの判別は容易である。問題文中にある西暦年を見逃すと正答を導くことは困難だった。問題文に書かれている情報を見逃さないようにしたい。

問4 文章から「大正時代」ではなく、「明治時代」の社会が問われていると判断できただろう。ただし、新婦人協会の活動時期や、活動の成果などを把握している必要があった。

第6問 第二次世界大戦後の民主化政策

出題形式としては、空欄補充問題が1問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題が1問、2文の正誤判定が2問、組合せの問題が3問出題され、そのうちの2問に「政策と目的」や「語句と理由」を組み合わせる問題が出題されたものの、形式の多くはセンター試験日本史Bに近く、試行調査で出題されていたような形式はみられなかった。

問1 センター試験日本史Bにもみられた、X・Yの2文の正誤を判定する問題。Xでは地租改正、Yでは明治時代の農村の知識が問われた。基本知識で十分対応できる問題。

問2 ①は1920年代、②は1900年代、③は1870年代、④は1940年代と、各選択肢の年代が離れているため、時期を特定しやすかったはずである。

問3 「農産物価格の低下」、「小作争議が活発化」から「寄生地主制の『動揺』」を導きたい。提示されたスライドの情報をしっかりと読み込めば、正答を導くことができる問題。

問4  問1同様、センター試験日本史Bでもみられた2文の正誤を判定する問題。戦時体制に関する設問は、センター試験日本史Bでも頻出だった。

問5 提示された情報の「小作料の引上げを禁止」などを見逃さなければ、正答を導き出すのは容易であった。

問6 グラフの読み取りを求める問題。農地改革は、昨年のセンター試験日本史Bでも出題されていた。①と②は知識で判別可能であるが、③と④は共通テストの試行調査同様に読解タイプの選択肢であった。

問7 「減反政策」、「農業基本法」は、センター試験日本史Bでも出題されたことがあるため、過去問演習をしっかりとしてきた受験生には解きやすかったであろう。この形式の設問は、a・b(もしくはc・d)のいずれかが正文または誤文であるため、2つの文を比較して判断すればよい。

◇新高3生アドバイス

◆日本史の実力そのものを向上させ、読解力を養おう!
今回初めて実施された共通テストは、傾向や形式が未だ定まっていないテストといえます。未知の部分が多いとはいえ、センター試験と比べた場合、共通テストでは、事件や政策などを多面的・多角的に考察する過程が特に重視され、歴史的事象の意味や意義、特色や相互の関連など、総合的に考察する力が求められる傾向にあるといえそうです。具体的には、教科書で扱われていない初見の資料であっても、そこから得られる情報と授業で学んだ知識を関連づけて判断することを求める問題、仮説に対する根拠として適当なものを選択させる問題、歴史の展開を考察させる問題、特定のテーマを考察させる問題などが増加していくと考えられます。従来のセンター試験日本史Bより、思考力・判断力が求められるといえるため、資料読解型の問題に対する演習量を増やしておく必要があるでしょう。ただし、読解力が求められるとはいえ、国語の問題ではなく日本史の問題であるため、日本史の実力がともなっていなければ、資料を読みとることは困難な場合が少なくありません。日本史の実力そのものを高める努力を怠らないようにしましょう。共通テスト日本史Bの問題形式は不明な点が多いと言われれば、多くの不安を感じるのは当然のことです。しかし、恐れる必要はありません。初年度の共通テスト日本史Bの問題や試行調査の問題構成は、センター試験日本史Bと同じで、第1問はテーマ史、第2問は原始・古代、第3問は中世というように、第2問~第6問は時代ごとに大問が構成されていました。そのため、通史学習と問題演習をうまく組み合わせて学習を進めることが可能です。学習の進度にあわせて、第2問、第3問というように、試行調査などの演習に取り組んでみましょう。さまざまな形式の良問に取り組めば、通史の学習の際にどのようなことを意識したらよいかがみえてくるはずです。日常の学習においては、教科書に掲載されているグラフ・表・絵画などを「ただ眺める」のではなく、「そこからどのような情報を導けるのか」を考察する習慣をつけるとよいでしょう。

◆「考えながら」覚える習慣をつけよう!
教科の性質上、日本史は暗記的要素が強いことは間違いありません。とはいえ、単純な暗記だけでは、知識は定着しづらく、入試問題への対応も危うくなります。日本史の学習において、最良のバイブルは教科書です。そのことを認識していても、教科書を精読する習慣を身につけている受験生はそれほど多くはありません。単純な作業のように思えてしまい、教科書を精読することが継続できないとすれば、それは、「考える」ことをしていないからだといってよいでしょう。共通テスト日本史Bでは、限られた時間内で正確に解答する力が求められます。そのためにも、「考える」日本史学習を習慣にしていきましょう。文化史(仏像彫刻)を例にとれば、仏像彫刻を把握していく際に、(1)ほかの時代で扱う仏像彫刻と比較する、(2)写真で確認してその特徴を考える、(3)当時の仏教はどのような性格をもっていたのかを把握する、(4)政治・外交・社会など他の分野との関連性を確かめる、など複数の視点で歴史を捉えることを意識して、読み方を変えてみましょう。そうして考えてみたことを自分でノートにまとめれば、立派なサブノートができあがっていきます。

◆模試を有効に活用しよう!
学習の習慣をつけるのは、容易ではありません。そこで勧めたいのが模試の受験です。東進の「共通テスト本番レベル模試」は、「全国統一高校生テスト」も含めると年間全6回実施されます。どこよりも早く共通テストを模試として完成させた東進の「共通テスト本番レベル模試」は、本番の共通テストで高得点を得るための不可欠なツールといってよいでしょう。また、「早慶上理・難関国公立大模試」「全国有名国公私大模試」も、それぞれ年5回、実施されます。直近では、第1回共通テスト本番レベル模試(2021年2月21日実施)や、記述式の高2レベル記述模試(2021年3月14日実施)などが新高3生を対象としています。これらは、受験日本史に精通した作題者によって作成されています。学習のペースメーカーとするためにも、これらを受験しましょう。

◇新高2生アドバイス
◆歴史に興味をもとう!
2021年1月、これまでのセンター試験にかわり、大学入学共通テストが実施されました。他の教科と同様に、日本史でも、「考える」学習の重要性が高まっています。現在・未来を考える上で「過去」の認識は不可欠です。コロナ禍のなかで、人類が直面した過去の感染症に注目が集まっています。また、近年では、中国、韓国、北朝鮮など近隣諸国と日本との緊張がニュースになることも少なくないはずです。こうしたニュースを見聞きする際に、「どのような歴史的背景から、緊張が生じているのか」といった問題意識をもてば、歴史を学ぶことの意味や重要性を認識できるのではないでしょうか。「歴史なんて学ぶ意味がない」「過去のことを考えるのは面倒」などと否定的にとらえてしまえば、日本史は当然つまらない教科になってしまいますし、得点も伸びていきません。大学入学共通テストでは、史料文、表・グラフ、写真・図などの資料を分析させたり、これらの理解を求めたりする出題が増加すると考えられます。まずは歴史に興味をもち、考察する姿勢を養いましょう。

◆教科書を重視しよう!
教科書を軸に学習を進めましょう。本文の精読が不可欠なのはもちろんですが、史料文や図、グラフなども重視して下さい。ただし、眺めるだけでは実力はつきません。そうした資料から何が導けるかを考察するようにしましょう。これまでのセンター試験に比べ、共通テストの出題形式は複雑になりました。限られた時間内で正確に解答する力が必要です。その力を養うためには、日常から多くの素材に触れておくことが不可欠です。歴史上の出来事は評価の難しいものが少なくありませんが、教科書には、日本の歴史が簡潔かつ客観的に記述されています。国際化が顕著となっている今日において、主観を排除した日本史の把握は、受験のためだけではなく、みなさんが社会人となったとき、ビジネスの場面で大きな役割を果たすことになるはずです。どうしても教科書を精読する習慣がつかないのであれば、一度に多くのページを読もうとするのではなく、「今日は奈良時代の政治を把握する」、「明日は飛鳥文化を理解する」など、自らテーマを設定して読む部分を絞って精読し、教科書を閉じたあと、そこには何が書いてあったのかをノートにメモするようにしてみてください。こうした習慣は、やがて大きな力になっていきます。

◆模試を有効に活用しよう!
2021年から実施された大学入学共通テストは、過去問がほとんど存在しない試験です。高得点をめざすのであれば、多様な出題形式に慣れておくために、共通テスト本番レベル模試だけでなく、さまざまな模試の受験を検討しましょう。与えられた資料を分析して論述する問題を含む早慶上理・難関国公立大模試、基本的な日本史の知識を確認できる全国有名国公私大模試などの受験は、共通テストに留まらず、日本史の得点力を確実に高める役割を果たすでしょう。東進では、「共通テスト本番レベル模試」と「全国統一高校生テスト」をあわせると全6回、「早慶上理・難関国公立大模試」「全国有名国公私大模試」はそれぞれ年5回実施されます。これらは、受験日本史に精通した作題者によって作成されており、近年出題が増加している、読解タイプの問題が数多く含まれています。また、『解答解説』では、初学者でも理解しやすいように、(1)図や表を用いる、(2)ルビを多くふる、(3)理解を深めてもらうための【参考】や【整理】を設ける、といった工夫がされています。受験会場の雰囲気にふれたり、成績がどのような状態にあるのかを把握したりすることは、モチベーションの向上につながります。学習のペースメーカーとするためにも、ぜひ、東進の模試を受験しましょう。

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